Greetings from Lover's Lane
ブルース・スプリングスティーンについて、なにもかも。
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"High Hopes"はブルーススプリングスティーンの新たな黄金期の幕開けだ!
BRUCE_B2_360.jpg

1月13日にiTunesでアルバムが配信開始になって以来、ブルーススプリングスティーンのニューアルバム、"High Hopes"を空いた時間は、ずっと聴いて過ごした。その過程で、本当に久々にインスパイアされた事を書き連ねてみた。

 ブルースは、ここ数年で、レコーディングの現場で、新曲を四苦八苦して書き下ろして、アルバム一枚分、15曲仕上げるより、あと一筆、98点!というところまで かつて取り組んだ曲達に、目鼻をつけた方が能率が上がる事に気づいたのかもしれない。寡作で知られていた90年代までのキャリアが嘘のように、怒濤のリリースペースに転じた。しかも、内容の質は落とさずに。ブルースと、彼をとりまくスタッフ達にどんなコペルニクス的展開が訪れたのかを検証したい。

なぜかライヴでは演奏されていても発表される事がなかった90年代末、00年代の傑作"Land of Hope And Dream"、"American Skin"が作曲後数十年してから、リリースされたこと。過去のアルバムのアウトテイクも、追加レコーディングをするなど、大胆に手を入れて、アルバムのラインアップに加え始めた。その成果が"The Promise"であり、"Wrecking Ball"であり、その路線を更に推し進めたのが、今回のアルバムだと想う。ここ数年で取り組んできた、新しいスタンスでのアルバムの制作方法をブルースが確固たるものにした、という印象がある。

 正直、"The Rising"ツアー から後の E-Street Bandとのツアーでは旧作の演奏がやはり主体で、00年代以降のアルバム曲が全面的にフィーチャーされることは、ツアー初期のセットリストを模索する段階を除くと、正直、少ないと想っていた。完全にツアーのレパートリーとして定着したのは何曲ある?っていう話だ。要するに、ブルースは、00年代以降に書いた曲に関して、ライヴでそれを演奏することに関しては、満足していなかったんだと想う。

70年代-80年代のように、E-Street bandのメンバーと、スタジオで殆ど、共同生活しているような時間の使い方で、作り上げたアルバムの、アウトテイクが膨大に残っているのなら、メンバーそれぞれがバンド以外の生活も並行した現状では、物理的に同じ状況でスタジオワークをするのは不可能になったため、それを使わない手は ない、と考えたんだと想う。

すごくドライな言い方をしてしまうと、著作権登録の問題も絡んでくるの
かもしれないが、この辺りは、百戦錬磨のマネージャー、ジョンランドーの助言もあると想う。
昔のアウトテイクを蘇らせることで、過去の膨大なスタジオワークで掛かった
コストを少しでもリクープするという発想。

だから、曲によってプロデューサーが違っても、一人で仕上げた曲と、バンドで録った曲が混在しても、結果、良いアルバムが出来れば、OK!という結論に達したんだと想う。楽曲の質とアルバムのストーリーの構築だけに集中できる、新しいアルバム制作の方法を手に入れたんだと想う。
さらに、ブレンダンオブライエン、テオマセロといったプロデューサーとの信頼関係が確固たるものになり、自身の楽曲の音楽的構造を的確に伝え、形にできるようになったのが伺える。

"Harry s Place"は、まぎれもなく 2013年になって、あえて"Blinded By The Light"の頃の詩作の手法を駆使して、作られているし、書き上げてから13年後に、ようやくスタジオテイクが陽の目をみた"American Skin(41Shots)"の、歌詞と今の世界の状況が呼応するいくつかの瞬間は、、、凄みを超えた戦慄すら覚える。

 絶対にブルース以外誰も想いつかなかったであろうThe Saintsのカバー、"Just Like A Fire Wood"は、オリジナルがリリースされたのは85年で、実はThe Saintsの面々が、ブルースの"Born In The USA"を聴いて書き上げた可能性もあると想う。バンドの出自はオリジナルパンクの勃興の時期だけども、この曲に関しては、、バリバリのアメリカンロックの王道だと想う。ブルースにカヴァーされたのは、、1曲目の"High Hopes"のハバリナスもそうだが、ソングライターとしての面目躍如だと想う。

"Down In the Hole"は、、このまま"The Ghost Of Tom Jord"の歌詞を載せても違和感が無い。実はトムモレロがギターを重ねる以前の、バックトラックの候補の一つに、全く違う歌詞を載せたのかもしれないと睨んでいる。

"Heaven s Wall"は、、はるか昔80年代に、"Dancing in The Dark"や"Cover Me"でアーサーベーカーのリミックスを作った頃からスタートした、前作の"Rocky Ground"の系譜に連なるダンストラック。いわゆる白人層以外のオーディエンスが、ブルースの音で熱狂するように、というのが狙いだと想う。そして、それはかなり良い線迄行ってると想うし、極論をいうと、The Rootsとアルバムを作ったり、ライヴで、こういうダンストラックだけ、バックをやってもらっても面白いと想うし、今のブルースにはそれを受け入れるだけのキャパシティが充分ある。そんな64歳、他に何人居る?って話だ。

"Frankie fell in love"は久しぶりに、足下が軽いポップソング!"The River"期のB面曲"Held Up Without a Gun"を30年越しに改作したのかと想った!このパターンは、92年の"Human Touch"の"The Long-Good-Bye"にも近いメロディラインがあったが、"The River"の頃のブルースが演奏している印象!70年代の"Frankie"と本作の彼との関係も気になる。"This Is Your Sword"は また、Seeger Session bandの音を発展させたようなサウンド! 本人もライナーで語っているように、色んな時期の自分の楽曲を縦横無尽に組み合わせて、一人でオムニバスアルバムを作り上げたような感覚。それぞれの曲のオリジナルヴァージョンも聴いてみたくなる。まぁ、それは"Tracks"の4枚目の収録曲のような、シンプルなアレンジのものばかりになってしまうのかもしれないが。

"Hunter Of Invisible Game"はサウンドだけ聴くとクリスマス近くの時期に聴きたくなる音だが、不穏なイメージの連鎖に、歌詞を読んで、そのギャップに仰天させられる。"The Ghost Of Tom Joad"は、1stシングルと双璧をなす、問題作!99-00年のE-Street Bandとの Reunionツアーでも既に演奏されていたし、"Live In NYC"にも収録されていて、少々、音が分厚過ぎるように、当時は感じていたが、このテイクは、、なんと、トムモレロにヴォーカルをとらせている箇所もある。まぁ、驚いた。ギターも、これは確かに、トムモレロの参加が必然なテイクで、ブルース自身が、ライヴで本当にグッとノッた時に弾くギターのテンションに負けないだけの音を出している。後半は、ライヴではスティーヴやニルスは どうするんだろう?と心配になるぐらいに。まぁ、オールドファンとしては、本当なら、クラレンスのサックスによる、ヘビーな旋律をぶち込みたかったんだと、想える。それでもまだ、99-2000年のリユニオンツアー当時は、トムモレロとも、もう出会っていたにも関わらず、彼を起用しようという発想は、まだブルースの中には無かったはず。"Live In NYC"と比べてもそのサウンドのブラッシュアップのされ方は、とてつもない。

"The Wall"も、ソロツアーで既に演奏されていた曲。ボス自身がオルガンで弾き語るソロヴァージョンだったが、日本公演では残念ながら披露されなかった。歌詞のストーリーテリングは、今回のアルバム曲中、ダントツだと想う。そして大ラスの"Dream Baby Dream"は、久々の傑作だろう。どれくらいかというと"Working On A Dream"のタイトルソングぶりかな。個人的には。以前から、エルヴィスの"Follow That Dream"とか チャックベリーの"Bye Bye Johnny"とか、ある曲の記憶の中のワンフレーズを切っ掛けにして,オリジナルな形に仕上げるのは、ブルースの得意の作曲法だが、これも、もはや、完全にオリジナルを超えた場所にたどり着いている。実質的なアルバムのテーマともいえる曲に相応しい出来!

ブルースは、率直にライヴで自分が最大限に誘発される感覚を新曲にぶち込みたいと、想って、それをそのまま強烈に推し進めたんだと想う。今回の試みの一番の救世主=ブルースの言葉で言うと、"詩神"が、トム・モレロだったんだと想う。ブルース自身、クラレンスクレモンスと、ダニーフィデリシがバンドから欠けてしまって、自身のライヴ活動の根幹を見直す必要に迫られたはずだ。

その最大の成果が、先行シングルの"High Hopes"他の再演した曲達だ。ライヴではなく、スタジオ録音を既に出している曲まで改めてリリースしてしまう、という、今迄の自分のレコーディングのルールすら大胆に打破しているのがその何よりの証拠だと想う。

よくボブディランの最大の魅力は、"これから最高傑作が作られるかもしれない、と想えるところだ"と言われるが、ブルースも、この境地に辿り着いたんだと想う。ツアーも年が明けて、再開されたが、既に完全に"Wrecking Ball"ツアーから
"High Hopes"の世界観を炸裂させる内容に、モードが切り替わったようだ。以前の曲も、絶妙にバランスアップされてセットリストに加えられているし、また、この1年で、どんな音が鳴らされるのか、非常に愉しみだ。

アルバム"High Hopes"は 何度目かのブルースの黄金期の幕開けだ。大げさかもしれないが、声を大にして断言したい。そして、その瞬間を日本で目撃できることを切に願う。
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コメント
ご無沙汰です♪
良い記事です♪
久々なUP・・・お元気そうで何よりですね♪
E.B.Iさん健在を感じさせ~うなずける要素の多い
優れた内容です。
来日・・・叶いましょうかねぇ・・・
[2014/03/21 20:42] URL | 聖 #- [ 編集 ]

いやいや
こちらこそ 大変ご無沙汰してます!
昨年末から、雪ダルマ式に来日する外タレ
が増えているので、積もり積もって、来年初頭には、、
と期待しています。まぁ、その頃にはニューアルバムや
The River BOXが出ていても可笑しくないですよね。
[2014/04/16 01:49] URL | BlindboyT #- [ 編集 ]


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