Greetings from Lover's Lane
ブルース・スプリングスティーンについて、なにもかも。
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2014年リマスター盤を聴いて
2014年にトビースコットがリマスターを監修した、ブルースの初期7作を
ようやく全作聴き終えた。1stこそ、単純に考えて一番聴いた回数が少ない
こともあり、今ひとつ違いが釈然としなかったが、2ndからは、もう驚きの連続
だった。オリジナルの状態が当たり前だと感じてずっと聴き続けていたので、
"The E Street Shuffle"のスタックス直系のブラスセクションの荒ぶる感じとか、
"Circus Song"のオルガンのペダルを踏むノイズとか、"Incident On 57th Street"のラスト、ブルースのギターソロが唐突にグッと入り込んでくるところとか、"Rosalita"の異様に高揚する感覚とか、"Newyork City Serenade"のイントロの静謐さとか、消え去って欲しくないところが沢山あったが、幸いにも、杞憂に終わった。ミックス迄はやり直されない、という触れ込みだったが、各トラックのノイズが劇的に低減されながらも、レコーディングの雰囲気は、しっかりと伝わってきた!!

"Born To Run"は2005年(といっても10年前)に音のバランスはそのままに、ボリュームを上げた感覚でリマスターされていたので、油断していたら、まぁ、凄かった!全体的にブルースとマイアミがギターを曲に合わせてかき鳴らす感覚とか、"裏通り"のゲィリータレントのベースとか、"Jungleland"のストリングスアレンジの細かい部分とか、明らかに今迄、気づかなかった部分の音が明確に聴き取れるようになっていたし!

"Darkness"も、従来の音源での、ロックナンバーのギターの過剰に痩せた音が
ぐっと前面に出て、バランスも改善されていたし、無論、
"Racing In the Street"のロイビタンのピアノとダニーフィデリシのオルガンの繊細なタッチも しっかりと聴き取ることができたし、2010年リマスターで気になっていた、"Something In the night"のイントロの微妙な音揺れも目立たなくなっていた。

そして、今回一番期待していた"The River"の初リマスターは、なんかもう、
スタジオライヴを一発録りしたような感覚!!マックスのドラムの音が素晴らしく
よく録れているし、ブルースが思わず発した"Yay!!"!!とかっていう叫び声も、
はっきりと聴き取れるし!この時のパワーステーションでの仕事は素晴らしい!
通算にすると あまり聴けていない2枚目の何曲かすら、新しい発見があった。

"Nebraska"は 今迄のどのCDマスターより、ブルースの歌とアコースティックギターが、自然に捉えられてるように想えた。ハーモニカの音色も、一発で曲の情景が浮かぶ感じ!"Open All Night"や"Johnny99"のブルースのギタリストとしてのビート感も強烈に伝わってくる。

"Born in the USA"は、最初に聴いたときからCDだったので、正直あまり差が
感じられないかな?と想ったら、30年の年月は凄かった。どの曲も、目の前で
ブルースとE Street Bandが演奏してる感覚!アウトロの細かいエンディングとか、
ブルースとバンドがノッてしまって演奏が止められない感じが伝わってきた。

これを聴く前に、"Tunnel Of Love Express "の88年4月のライヴを爆音で
聴いていたので、本当に久しぶりに、十代の頃の感覚が蘇ってきたし、
これまでブルースの音楽に惹かれて過ごしてきた日々は、何一つ間違ってない!!
と改めて確信した。

そう、テレビで、"Thunder Road"と"The River"と"Dancing In The Dark"と"Rosalitaを
小林克也さんのDJで初めて目撃した時から、今迄ずっと、これからも
"I m just a prisoner Of Rock n Roll"ってことさ!
"Ride down baby into this TUNNEL OF LOVE Express"
 88年4月のLAの"Tunnel Of Love Express"ツアーのライヴ、何度となく聴いた!
この時期は、FMでの世界中継のライヴ(1部のみ)や、東欧でのライヴがテレビ
放映もされて、比較的ライヴの全容が掴みやすいが、ライヴを丸ごと収録したものが最高の形で届けられた。トビースコットの手になるDSDリマスタリング。

 "Tunnel Of Love"の制作過程で、齟齬が生じてしまったE-Streetersとの関係も、
ツアークルー達との長い付き合いの中で生じてきた馴れ合いを打破すべく、
ステージの立ち位置から、演出から、ライヴ75-85の次の場所へ向かおうとするブルースの意志を強く感じた。

 "Tunnel Of Love"からの楽曲のライヴヴァージョンは どれも素晴らしい!
オープニングは、いつか映像も公式発表して貰いたいぐらいの出来だし、
70年代からの音楽的な足下の軽さと、R&Bや、ソウルナンバーへのバックトゥルーツの感覚の幸福な融合。
もし、アムネスティのツアーがなく、もっと長くこのツアーが続いていたら、
"Human Touch"とそのアウトテイクに一部成果がみられたような、ソウルや R&Bベースの
E-Street bandとのアルバムが仕上がっていた気がする。
その名残が"Have Love,Will Travel"と"I m A Coward"、2013-14年の
ツアーでも披露された"アポロメドレー"のひな形ともいえる"Sweet Soul Music"のカヴァーだ。
前者2曲はスタジオヴァージョンでも未発表だったので、日の目を観て嬉しい。
まぁ、この時期ならではの自問自答というか自虐的な歌詞ではあるが。

 "Born In the USA"ツアー時にも、"Man At The Top"や"Seeds"や、
"War"といったメッセージ性が強烈で、音楽的にもニルスのギターが全開になったナンバーを
披露していたが、そこから数歩前進しようと模索しているようにも想える。
"Horns Of Love"も、ハマる曲は強烈に曲をドライブする事に成功しているしね!

 "Roulette"や、"Part Man Part Monkey"や、"You Can Look"のロカビリー
ヴァージョンの披露も、面白いし、聴きものだ。"Dancing In The Dark"も、
まだ、"The Rising"ツアーでの決定的な完成形には まだ達していないが、
やはり、映像が観たくなってしまう!

 "Live Archive"のリリースも安定してきたが、各ツアーからの記録用のライヴ映像や、
ライヴ音源の断片も、オムニバス的にまとめてリリースを熱望したいと
最後に我が侭を書いておく。90年のLAでのソロ、カムバックライヴでもいいし、
92年のツアードレスリハーサルもあるし、95年のラジオライヴもあるし、
まぁ、きりがないな!(苦笑)
Talkin’bout Pete Townshend
ブルースが、Musicare 主宰のスティーヴィーレイヴォーンベネフィットの授賞式で、
The Whoのピートタウンゼントが表彰されるにあたって、プレゼンターを務めた。
無論それだけでなく、The Whoと"My Generation","Won T Get Fooled Again"を共演した。

この半年、ライヴアーカイヴからの公式海賊盤の80年、84年のリリースを除くと、ほぼ飛び入りに近いライヴ出演を除けば、ツアーもなかったし、鳴りを、、潜められそうにないのは世界中のブルースファンが承知している事だ。

Backstreets Webで公開された、当夜のブルースのスピーチを聴くことができたので、
あくまで、ラフの私訳ではあるが、以下に、全文を 掲載する。
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 ピートタウンゼントがドラッグとアルコール中毒と闘う人々を援助する彼の決意に対し、今年のスティーヴィーレイヴォーン賞を授賞することになった。

彼のThe Whoでの活動とダブルOチャリティを通じて、ピートは
長年、懸命に努力し、精神性を高めてきた。
そして、寄付。。充分な成果だ。幾つか例を挙げると、
1986年のダブルOプロモーションはコロンビア火山噴火過の救済コンサート、
1989年のThe Whoの再結成ツアーは アメリカで8万ドルの子供達への
寄付を生み出した。イギリスでは、ティーンエイジカンサートラストに
ここ数年、多大なる援助をし、3万ポンドの寄付と、がん研究所と教育施設の創設を
実現した。今回のツアーでも、ティーンエイジカンサートラストや、マイケル
Jフォックス基金、私生児の為のアンドレアガシチャリティ基金、NYCの貧困との戦いを援助するロビンフッド基金など、同等の規模でチャリティのために基金を積み立てようという計画もある。

ピートとThe Whoが人々になし得てきた事は、まだまだ話せるけど、
ここじゃ、ちょっとピートが俺にしてくれたことを話すよ。

 俺はピートタウンゼントのためにならないと想ったんで、フェンダーテレキャスターで、
ウィンドミル奏法をやるのは止めておいた(苦笑)
66年か67年から記憶が定かじゃないけど、The Whoの最初のアメリカツアーでさ
ボードウォークの近くのコンベンションホールの長蛇の列の中にいたのさ。
看板には大きな文字で、"ハーマンズハーミッツ!" そして(小さな文字で)The Who!
って書いてあってさ。俺は、まだ十代で、初めて皆で連れ立って観に行ったロックコンサートだったんだ。

 ピートとThe Whoもレコード契約したてでまだ若くて、バリバリの十代でね、
荒ぶってて、攻撃的なマジックがあったツアーだったな。彼らは そのツアーで ハーマンズハーミッツのオープニングアクトだったんだよ。なんてこった、って話さ(苦笑)

 俺はコンベンションホールの自分の席のあたりをブラブラしながら、始まるのを
待ってた、確か最初のバンドは、、、ブルースマグーズだったと想う。
ニューヨーク出身。お、そっちに 覚えてる人何人かいるみたいだな? 本当に?(爆笑)
彼らには"Ain t Nothing Yet"って凄い曲があって、連中が、電飾付きのスーツで
出てきて、ホールの照明が消えるとそれが浮かび上がってさ、当時としちゃ画期的な効果だったよ。

そして、The Whoが出てきてさ。多分30分も演らなかったと想う。
ピートはスモークの中でギターを床やアンプにメチャクチャに叩き付けてぶっ壊してさ、
客はというと、"Mrs.ブラウンのお嬢さん"だけしか知らないミーハーな連中だったから、
口を あんぐりと開けて、何だこれ!って感じだったよ、あ、勿論*Who Are You?" 
"誰だこいつら?" "なにやってんだ?" ”なんでこんな真似をしてるんだ?"ってね。

俺に理解できたのは、The Whoの音楽と、連中が完璧に恰好良い楽器でやらかす
ものごとが、とびきり愉しかったってこと!

体がいいだけのものが完璧に破壊されるのは 何かとてつもなく素晴らしかった。
The Whoが、誰かが体裁を整えた安全なシロモノをぶっ壊す、仕組まれた暴動は
喜びと、目眩! なぜだか知らないけど それが俺を愉しませたし、スリルがあったし、かきたてられたんだよな。

 俺が十代の頃にやってたキャスティールズってバンドで、早速影響されて、
16歳だったんだけど、翌週末にカトリック学校のSTローズオブリマの
CYOダンス用の地下室でギグがあったんだ。早速出かけていって発煙筒とストロボライトを
手に入れてさ、ギグの間中付けっぱなしにしてさ。自分のギターは1本しかなかったから、ぶっ壊したら、其の夜は 何もできなくなっちゃうからさ。
発煙筒のところにいっちゃ、ストロボライトのとこに戻って、上の階の教室から
かっぱらってきた花瓶を持ってさ、自分のダンエレクトロのアンプの上に よじ上って、
わざとらしく花瓶を振りかざして、煙まみれになりながら それを
ちょっと ビビりながらダンスフロアに叩き付けて、アンプから飛び降りたのさ!

無論、間抜けだったね。心神喪失みたいな感じだったよ。花瓶はさすがに
買ったばかりのテレキャスターの替わりにはならなくってね、でも
それをやったってだけで充分だったな。手を血まみれにしたピートタウンゼント
になったような気がしてさ。。。想いだしたくなかったけど

それからも、The Whoの音楽と一緒に成長してきたんだ。
性的なフラストレーション、政治、アイデンティティ、とかのテーマが
The Whoのアルバム全部から、俺の静脈に入り込んできてさ、
いつも彼らの音楽の中に、自分自身を見つけてた。"The Seeker"は
"Born To Run"の登場人物みたいだったし、、、ピートがギターを血だらけに
してなかったら、俺は ジャングルランドにも、辿り着け、、、なかったろうな。

ピートは 信じられない位最高の、リズムギタリストなんだ。彼は
信じられないような、誰も弾けないないようなリードギターを観せてくれたろ?
本当にそれってとてつもないことなんだよ。ピートは下衆な商売だった
ロックを、スピリチャルで品格があるものに高めたんだ。彼は嫌がるかも
しれないけど、それを確固たるものにしたのさ。そこに向かう事も恐れなかった。
そこを通り過ぎるのに俺は何十年も時間がかかった。ピート、改めて
"Who s Next"とか"あんた誰?"じゃなくて 俺自身が、おめでとうと言う為に
今日は来たのさ!

2015年、初ライヴ!"Light Of Day Benefit"!!
2015年のブルースの初ライヴは、毎年恒例のアズベリーパークの"Light Of Day"ベネフィットコンサートだった。恐らく、昨年末には飛び入りとはいえ、出演を決めていたように想う。それも踏まえての、11月、12月の単発のイベントや、チャリティライヴの出演も承諾したんだと感じた。このままロードに戻るかは、まだ分からないが。それにしても、以前は、丸一日たってやっと当日の様子や写真や映像が入ってきたのに、今は、twitterやFacebookで、逐一進行がリアルタイムで伝わるのは、さすがに凄い、と実感する。

ブルースが"ここには、かき立てられる何かがある"と言い放って、
"Thunder Road"をはじめた、という瞬間は、さすがに観たかった!
□Setlists□
One Guitar (with Wilie Nile)

The Letter(tribute to Joe Cokker)
This Little Girl Of Mine
Higher And Higher
I Don t wanna Go home
(with Southside Johnny,La Bamba s Band )

Janey Don t you lose heart(Solo)

Adam Raised A Cain
Savin Up
From Small Things
Never Be Enough Time
Racing In the Street(Rock.ver)
Pumpkin Iron
Darkness On The Edge Of Town
(with Joe Grushukey)
Frankie Fell In Love
Heart Of Stone
Save My Love
Talking To The King
Because The Night(with John Eddie & Willie Nile)
Light Of Day
Thunder Road
Promised Land

1978年8月9日、ジ・アゴラ、クリーヴランド
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ついに年末にLive Archive シリーズの第二弾でリリースされた1978年8月9日のアゴラのライヴを聴いた。この時期は、もう冗談抜きでブートレグが無いギグを探すのが困難な位だが、この日のライヴは、FMで生中継され、多くの人の耳に届いたこともあって、ブルースと、ジョンランドーがツアーの合間の休みに、わざわざ スタジオ入りしてミックスダウンを終えていたという。その割に、"LIVE 75-85"のリリース時も、2010年の"Darkness"Boxの時も、選曲から漏れていたのは、何故だろう?と不思議に想っていた。

 マスターテープに壊滅的なダメージがあり、これまで修復出来なかった点がクリヤになったのか、とまぁ、ファンとしては、色々考えるわけだ。いざライヴ公式販売サイトのトビースコットのインタビューを読むと、7本のリールが存在していて、そこから仕上げられた、とのことだが、7枚の過去のアルバムのサウンドを更にクリヤーにしたシステムは、ライヴ音源にも充分効果を発揮することが、見事に立証された。

 いわゆるオーバーダビングを施した可能性もあるが、スタジオ録音に遜色ないぐらい、バンドの音のバランスが素晴らしい。何度目かのライヴ盤化になる"Prove It All Night"も、ブルースとリトルスティーヴンのギターの音が、見事に共存してるし、Live 75-85では、肝心なところが編集されていた、長尺の曲達も、ブルースの
演劇的なアドリブが入る箇所も、ノーカットで収録され、この時期のE-Street Bandのある意味、劇伴的ともいえるライヴでの演奏が、忠実に再現されている。今回は、わりと客席の歓声は、抑えめだが、いいバランスだと感じた。今後のアーカイヴシリーズのリリースと合わせて、恐らく次回のリリースになるだろう、"Live75-85"のリマスターの成果を聴くのが、更に楽しみになってきた。





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